株式会社K-twoエフェクト
専務取締役塚本 繁
塚本 繁(つかもとしげる) 2003年、株式会社K-twoエフェクト入社。関西の主力店舗で活躍後、東京進出の代表に就任。「JJ」「cancam」を始め有名ファッション誌、TV、コレクションで活躍。K-twoを代表するカリスマアーティスト。
ストリートカジュアルの塚本、小顔矯正カットなら塚本、コンサバお姉さん系は塚本……。トータルビューティサロン「K-twoエフェクト」を牽引するカリスマスタイリスト塚本繁がこれまでに獲得してきたイメージは、あまりに多岐に渡る。そして、どのジャンルでもトップランナーとして活躍してきた。
「昔の僕は、お客さんやメディアが望むものはなんでも受け入れるタイプでしたね。大阪時代にやっていたのはストリートカジュアル。それが自分のテイストになっていたんですが、東京に進出してからは、『JJ』とか『Cancam』といったコンサバ系が得意という印象に変わりました」
今、塚本が求められているものは、○○系とか△△スタイルとかいったものではなく、“塚本テイスト”である。塚本が旬だと思うものを表現してほしい、塚本の感じる世界観を見てみたい。それが業界のニーズとなっている。
大阪で生まれ、小・中学校を高知で過ごした塚本は、幼いころからコンプレックスが強かったという。
「髪の毛がクセ毛だとか、後頭部がゼッペキだとか……。とにかく悩みが多かった。でもそれを解消するお金はない。だから、自分でなんとか工夫するしかなかった」
既製品のズボンが合わなければ自分でミシンで縫って形を変えた。ストレートパーマはお金がなくてかけられないからドラッグストアで1000円くらいとかで専用液を買って試した。頭が大きく見えないように自分でバリカンで切った。試行錯誤の中で知らず知らずのうちに塚本の中にはファッションやビューティに関する興味や知見が蓄積されていった。
塾通いと受験を経て地元の進学校へ。ところが、高校入学直後にはすでに大学進学への願望は失っていた。
「進路の候補は美容師、カメラマン、服飾デザイナーのどれかでした。周囲からは『ええ!?』と戸惑いの反応を受けたけど、すべての専門学校を見学して一番ピンときた美容師の道を選んだんです」
専門学校卒業後、兵庫の美容院で実践的な技術を身に着け、20歳でロンドンに留学した。憧れの街でたっぷりと刺激を受け、大きく成長した塚本は、2年後にK-twoエフェクトの扉を叩く。
「いくつか働き先の候補はあったんですが、面接でオーナーから『うちはこれからのサロンだから』と言われたのがキッカケでした。可能性を感じて面白そうだと思った」
塚本の飛躍のきっかけは雑誌での仕事だ。大阪で有名な「カジカジ」という雑誌でチャンスをもらった。
「当時、美容師なら誰もが憧れる雑誌だった。そこでの仕事が大きく掲載されたんですね。周囲の目が『あいつ、すげえな』ってなって『雑誌の仕事はお前に任せるわ』ってオーナーに言われた時は手ごたえを感じました」
幼いころから自分の髪を切り続けてきた少年は、ワンチャンスを見事に生かし、トップスタイリストへの階段を一気に駆け上がった。コンプレックスが強かったからこそ、お客のニーズを敏感にキャッチすることができる。何をしてあげたら喜んでくれるのか、は自分が一番知っている。それが塚本の最大の武器である。
そんな塚本は、次の時代をこう予測する。
「美容業界はいまコンテンツ的にも限界です。これまではファッション×ビューティが主流でしたが、これからはヘルス×ビューティをやっていくべきだと考えています」
新たなジャンルにまたカリスマが現れるかもしれない。